ストレスチェック費用

義務化されたストレスチェック制度の費用はいくら?簡単に無料で実施できる?

ストレスチェックとは、労働者の精神的な不調を未然に防ぐための検査です。「自分のストレス状態がどのようなものなのか」についての57問の質問票に労働者が記入するかたちで進めます。常時50名以上の労働者を使用する事業場に実施義務があり、職場環境改善のきっかけにもなります。

ストレスチェックの費用

ストレスチェック費用

会社の総務担当者の方であれば、ストレスチェックについてインターネットで調べたことがあると思います。内容はさておき、値段に大きな差があることに驚かれたのではないでしょうか。だいたい1人500円くらいの業者が最も多いと思います。

安いところで1人250円、高いところで1,000円といった感じでしょうか。付加価値のあるシステムの場合、1人3,000円くらいするところもあります。

ストレスチェック費用が安いところはダメ?

500円と安いところだからといって、内容に不足があったり、システムが脆弱という訳ではありません。むしろ、保険会社やシステム会社が母体でシステムに強いからこそ、大規模で安価にストレスチェックを提供できるという業者が多いと思います。

内容についても厚生労働省が推奨する57項目を下回る内容のところはないと思います。ただ、安価に見えるところでも、「集団分析」など会社として必須の事柄でも別途費用が必要となるなど、結局は割高だったということもあります。なので、ホームページ上に大きく踊る値段だけでなく、会社が必要なことを全て依頼するといくらになるかしっかりと確認して頂きたいと思います。

ストレスチェックの費用が高いのはなぜ?

ストレスチェックは厚労省が推奨する57問が基本となっています。しかし、57問では何もかもが十分に分かるという訳ではありません。そのため、少しでも”分かること”を多くするため、設問を別途費用で追加することができます。

また、そもそもの基本プランの設問が100問以上となっており、費用が高額になってる場合もあります。基本のストレスチェック設問の場合稀にある”意図して結果を操作する”ことができないように、質問に工夫をしている業者もあります。

その他に確認するところは?

ストレスチェックを実施すると、高ストレス者で医師面談が必要な従業員が出てきます。目安でいうと、全受検者の1割が高ストレス者で、その内の1割が医師面談を希望すると言われています。医師面談を申し出た従業員がいる場合、会社は概ね1ヶ月以内に実施する必要があります。

これは、必ず実施する必要があります。医師面談は通常産業医が実施することが多いのですが、産業医の先生の中には、「私は精神科は専門でないので、ストレスチェックの面談はできません」とおっしゃる方がいます。そういった場合、会社は代わりに医師面談をしてくれる先生を探す必要があります。

ストレスチェックは無料でできない?

ストレスチェックは無料で実施できます。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、職場性ストレス簡易調査票(57項目)と簡易版(23項目)が公開されています。特に、57項目の方は多くのストレスチェック業者も利用している最もスタンダードな内容となっています。

ダウンロードも可能なので、それを利用することで自社で実施することも可能です。高ストレス者に対する医師面談も産業保健センターが50名未満の事業場を中心に医師面談を無料で実施してくれます。

自社でのストレスチェック実施はお勧めできない

しかし、無料でできるからといって、自社で実施することはお勧めしません。なぜなら、自社で実施する際には、以下のような取り組むべき大きな課題があるからです。

①従業員への周知文書、実施規定など必要書類の作成
※ストレスチェックは、メンタルについての繊細な個人情報を取り扱います。従業員に安心して受検してもらうことは簡単なことではありません。

②個人情報に配慮した運用方法を考える。
※結果をどう集め、どう集計し、どう返却するか?一覧結果を誰がどう管理するか?など

③実施者(共同実施者)、実施事務従事者、制度担当者の決定
※ストレスチェック運用には上記の役割を決める必要があります。役割によって権限が変わってきますので、よく理解した上で決定する必要があります。

④高ストレス者の医師面談について
※高ストレス者を誰がどういう方法で把握し、医師面談の勧奨を行うか?など
※医師面談結果のどの内容をどの範囲まで伝え、対策をするか?
(高ストレス者、上司の両方に介入する必要がある)
⑤改善に繋げるための「集団分析」の実施
※職場環境改善のための「集団分析」も厚労省のシステムを使い、実施することは不可能ではありません。しかし、読み解くには専門的な知識・ノウハウが必要となります。

ストレスチェックの費用まとめ

ストレスチェック費用

以上、ストレスチェックにかかる費用や、無料でできる内容についての詳細をご説明させていただきました。細かいことを言えば、ストレスチェック運用のためにすべきことは他にも膨大にあります。

会社にとって必要な質問内容やサポートについてよく検討し、会社にあったストレスチェック業者(EAP業者)を選んで頂けたらと思います。

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